2014年01月16日

ハイチュウ

続くといったからといってかならずしも続くわけではない。
こういうところが世の中の、端倪すべからざる不思議なのである。
まぁ私の気分次第なのだが…

「まぁお正月ゲームのことはまた気長にいたそうな。のう、久馬。」

成人式ということで巷には新成人が溢れかえっているわけであるが
折りしもこの3連休は出社せざるを得ない状況になってしまい、
しぶしぶ電車に乗ろうと地元駅の上りホームで電車を待っていたときだった。


「#%&’だ!!!(”ヴァ:qv!!!!!!!」


どこからともなく聞こえる罵声に「おや?」と私は辺りの様子を伺った。

「誰かが声を上げブチ切れている、そして近づいてくる」

このことであった。胸が自ずと高まるのも当然である。

声の主は線路を挟んだ下りホームにいた。
下りホームの端から端を歩き連ね、相対する我々上りホームの下々に
説法をかましていたのである。これには思わず瞠目した。

レールを挟んだおよそ5mの距離。
この5mは近いようであまりにも遠い。線路を跨ぐといわゆるアッチ側、このことであった。


「成人式だからって浮かれてんじゃねぇぞ!お前らの未来なんかお先真っ暗なんだ!」


くたびれた謎のオッサンの怒号は勢いを増すばかりである。

休日とはいえ昼前の下りホームは上りホームに比べ閑散としてい、
正確に言うと閑散としているというかオッサンしかいないのだが。

何度もいうようだが、私の地元は「キチガイの街」と揶揄される始末である。
現にそのオッサンの横には地元紹介のたて看板が備わってい、
一応本来の字は伏せておくが意味合い的には「感動王国」のキャッチコピーが輝いている。

高倉健主演の「駅 STATION」という映画でもあるように、駅からは様々なドラマが生まれる。
西口の喫茶店ではドラゴンタトゥーの女がいたわけだし、東口には電話ボックスの個室内で
「いけるいけるいける!」と騒ぎ狂う小雨坊もいる。小雨坊に関していえば、アレ以来
まったく見かけていないのが実に恐ろしく、「本当にどこかへ行ってしまった」のではないかと
疑いにかかる始末であった。

類に洩れずまた気狂いと出くわしたわけなのだが、便宜上この怒号をあげるオッサンを
メーテルと呼ぶことにしよう。いささか短絡的ではあるが、あのビジュアル姿のオッサンが
罵声を浴びせ尽くす姿を想像してもらえば多少味わいというものが沸いてくるであろう。

「世の中もうおしまいなんだ!大学生ですら就職が決まらないんだよバカ野郎!!」

駅の自販機のオロナミンCがさらに美味く感じた一瞬であった。
そして話はオッサンの内情にまで踏み込んでいく。

「俺はなぁ!会社を首になったんだ!能無しはいらねぇんだってよ!!」

なんで駅のオロナミンCはあんなに美味いのであろう。
そしてトドメにこの発言である。

「オレは焦ってんだよ!!!」

その刹那、電車が我々とオッサンの間に侵入した。
車窓からオッサンをみると声は聞こえないが口元が動いている。
ゆっくりゆっくりと私とオッサンは離れていった。

毎年1月は我々の気持ちを振り切るかのごとくあっという間に過ぎていく。






Posted by ダブルジェイ at 03:23│Comments(2)
この記事へのコメント
一見まったく関係ありませんが、今日こういう記事にぶち当たりました。
http://nazolog.com/blog-entry-7277.html
どうしてくれるんですか! どうしましょう!
Posted by 強力わかもと労働組合 at 2014年01月16日 19:48
強力わかもと労働組合さん>

スティーブン・キングに高崎線をモチーフにしたものを書いてもらいましょう。
いやね、あながちそういう怖い話があっても「あぁ、あるかもね」となんとなく
頷いてしまうんですよ。
Posted by ダブルジェイダブルジェイ at 2014年01月18日 12:05
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