2011年11月15日

T・ジャララトフ 修理のとき

チェチェン人は注文どおりにモーニングコーヒーを淹れ、目的地まで運んでいた。
かわいいクマの絵がプリントされた白い陶磁器のコーヒーカップが
カタカタとチェチェン人の歩行と同じリズムで小刻みに揺れてる。

薄暗い地下通路の一番奥、部屋の戸は分厚い鋼鉄の扉であったはずだが、
勝手にパイン材の引き戸に改造されていた。引き戸にはご丁寧に「T・ジャララトフ」と
丸みを帯びたフォントが縫い付けられたキルティング製表札が掛けられている。
じっくり眺めると表札の横にマジックでこう書いてあった。

「かってに入ったらばっきん100万えん」

呼吸を整え、ノックをした。

「勝手に部屋に入ってくるなっていってんだろ!!!クソババア!!!!」

勢いだけは獣の咆哮に近い怒声が返ってくる。
それと同時に壁に掛けられたキルティング製の表札が勢いよくリノリウムの床に落下した。

そもそもチェチェン人は30代半ばの男であり、クソババアと呼ばれる筋合いもない。
自分は「ノック」をしたはずなのに「勝手に入ってくるな」といわれるこの理不尽さは一体なんだ!
おぉ神よ、何故あなたはいつも私に試練をお与えになるのか!!!

瞬時にある考えが脳裏をよぎり、チェチェン人は冷静さを取り戻した。

「この絶妙なタイミングでキルティングが落ちるものだろうか??」

いや、「落ちた」というより「落した」のだ。そこには意思が宿っていた。

この男は綿密な打ち合わせの元に、思春期の男子を演じ、
チェチェン人を自分の母親に置き換えて激昂したのだ。

自分の声の大きさ、キルティング表札の重量、落下速度を計算し「それ」をやってのけた。

2日ほど前にチェチェン人は、偶然この引き戸の前でT・ジャララトフの姿を目撃している。
1人怒鳴り散らしては瞬時に冷淡さを取り戻し、なにかの計算をしていた。
たまにレーザーレンジファインダーで距離を測り、首をかしげていたのが印象的だった。
おそらく機材そのものの用途というよりも使い方がわからなかったのだろう。

一筋の光が予想を確信へと変えた。つまり、あれはシュミレーションだったのだ。
なんということだろう、ちくしょう!そもそもこのやりとり自体に意味がないのだ!!

プロフェッショナルの仕事を目の当たりにしたチェチェン人であったが
それを「仕事」と理解するにはまだ多くの時間と理解が必要だった。
平静さを装うことの困難さを肌で感じる。しかしここではあの男がルールなのだ。

「コーヒーをお持ちしました、Mr.ジャララトフ。」

「うん、入りたまえ。」

T・ジャララトフは大きなディズニーの塗り絵をしていたところだった。
足元のクレヨン24色セットに目を運ばせる。これには正直驚いた、全部同じレモンイエローなのだ。

「仕事中に申し訳ありません。」

「これは仕事ではない、童心に還っているところだよ。
 ところでどうだい、君もやるかね?ミニーの目の色はどの色がいいのか正直悩んでいるんだ。」

「いえ、結構です。」

「だ・か・らぁ!勝手に部屋に入ってくるなっていってんだろ!!!クソババア!!!!」

このチェチェン人はジャララトフの逆鱗に触れてしまった。
しかしこれが虚勢であると見抜いたチェチェン人はものともせずに会話を続けた。

「Mr.ジャララトフ、我々は急を要しているのです。
 あなたのオーダー通りにドラグノフのパーツをすぐさま用意しました。
 これがなにを意味するか?つまりあなたに即時修理していただきたいということです。」

「かしこかしこのかしこまりーーー!さぁ『修理のとき』だ」


というわけでRSSVDのメカボのガワを慌てて手配した割には
実作業にはなかなか入れなかったという。まずはどんな状況になっているのか
分解してみなければいけません。


こ れ は ひ ど い


あ あ あ あ あ あ(ひょいとつまんだら自重崩壊)

安直な方の流速仕様(爆笑)による弊害でしょうか。
フロント周りがごっそり持っていかれてます。

かのキャンディーズの伊藤蘭もこういっていました。


「ふつうの女の子に戻りたい」


というわけで経年劣化以外でこのようなことになるのは
もう御免被りたいので、ガワを新品に交換したついでに
低レートバネに交換し、バレルもAKサイズに変更。
基本中の基本のシム調整を行いまして終了。

まぁガワが届いて軸受けは別売りだと気づいた29歳JJです。
慌てて7mmベアリングを買いに走りました。ファッキンジャップぐらいわかるよ馬鹿野郎。
ただRSSVDはセクターギア、スパーギア、ベベルギア、トランシジョンギア、ドゴスギアという
いわゆる4枚ギア構成の変態メカボなので通常の軸受けセットが2つ必要になります。
そして今、余った4つの軸受けを前に沈思黙考。


左右で合計8個の7mm軸受けが必要なのです。

あとはグリスアップして組み立てなおして終了。動作自体は快調そのもの。
まぁ難しいことはなにもしていないので当たり前な話ではある。

メカボあけたのも久しぶりだもんでちょっと変な疲れ方をしてしまった。

しかし手持ちのエアガンで一番直してるのはRSSVDなんですよね。
ロクに使っても居ないのだが。


よかねぇよ!!






Posted by ダブルジェイ at 02:58│Comments(11)
この記事へのコメント
ドラグノフは流速(爆笑)使用だったんですか…
メカボが真っ二つになるとは…(^^;
強バネ、短いインナーバレルでの流速チューンはこういった弊害が出るのがデメリットですね…
Posted by 毒舌 at 2011年11月15日 06:41
マジキチの描写が秀逸すぎる。

「金はもってるんだろうな、オッサン。」

「うん。」
Posted by ダメンフィス at 2011年11月15日 09:55
>ドラグノフは流速(爆笑)使用だったんですか…

そうか!爆笑チューンという新しいチューンの方法だったのか!
Posted by きつね at 2011年11月15日 13:20
つか、新品をもう一挺買った方が早くね?
同時に補修パーツも手に入ってウマー。
Posted by SGW at 2011年11月15日 18:09
ども

誰か「ドゴスギア」につっこめっての!!。
Posted by LEO at 2011年11月16日 01:41
コメントありがとうございますー

毒舌さん>

最初は一部が欠けてただけだったんですが、
細いところをクイクイってやったら
斬鉄剣で斬られたが如く真っ二つになりました。南無


ダメンフィスさん>

「ジャンプしてみろよオッサン」

「うん」


きつねさん>

爆笑チューンってなにをあげるんでしょうね。
テンションですかね。


SGWさん>

つか、さっきから壁に向かってなに喋ってんの。


LEOさん>

リチャード・ギアもあります。はい、灯油被ってきます。
Posted by ジャン・ジャラジャン・ジャラ at 2011年11月17日 04:30
自重崩壊の画像の『骨盤がキュッ!』のおねぃさんの腰回りと、中心付近の頬に手を当てたおねぃさんが気になる・・・
Posted by V.O.G at 2011年11月17日 15:46
真面目な話、原因はなんですかね。メカボの材質不良というか巣でも入ってた?
ウチのRSのType56-2は本国仕様?だかなんだかでM120とか書いてあってそれなりにパワーのあるスプリングでした。SVDだってあっち仕様ならかなりパワーはあるはずなので、ちょっと流速にしたぐらいでここまで逝くというのは。(汗
Posted by なま at 2011年11月17日 16:38
ジャンジャララ~

V.O.Gさん>

骨盤矯正下着みたいな広告で
主にミドルエイジがターゲットかと思われまキュッ!


なまさん>

おっしゃるとおり流速(爆笑)チューンが主だった理由ではないと思います。

元々海外のハイパワー仕様に耐え得るメカボ仕様に
M100スプリング入れたところで、その負担なぞたかが知れておりまして、
むしろトータルでの剛性の高さからくる逃げの少なさと、
レシーバー側にメカボをネジで固定する仕様の相乗効果じゃないかと。
でもその話をそのまま当てはめると海外のハイパワー仕様だと
みんなすぐぶっ壊れるじゃんという話でふりだしに戻るわけです。
私にも腑に落ちません。
まぁその分ニューメカボには割かし負担の少ないような仕様に落とし込んだつもりですがさてさて。
Posted by ジャン・ジャラ at 2011年11月18日 03:17
コメントありがとうございます~っていつもみたいに書くつもりが
無意識にジャンジャララ~って書いてて死にたくなった。

どこの国の挨拶だろう
Posted by ジャン・ジャラ at 2011年11月18日 03:19
マルイのPDW(クルツの方)にKMのM130入れてぶん回していたけど割れなかったんですよね。(初速0.2g80m/s)
勿論マルイのメカボです。
という事で、メカボ不良に1票。
Posted by きつね at 2011年11月19日 19:08
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