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Posted by ミリタリーブログ at

2013年12月30日

吉岡キャビネット

今年も残すところあと二日である。早いなオイ!

部屋を軽く掃除したら今年読んだ小説だかなんだかが出てきたのですが、
せっかくなので手元にないものや、貸してもらった物含め備忘録代わりに
記載しておきます。このブログでちらほらでてきたのもありますね。

「人間とはどういう動物か」 日高敏隆

「ストライクウィッチーズ アフリカの魔女」 鈴木高昭

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」 フィリップ・K・ディック

「上意討ち」 池波正太郎

「谷中・首ふり坂」 池波正太郎

「食卓の情景」 池波正太郎

「おおげさがきらい」 池波正太郎

「DZ」 小笠原彗

「塩の街」 有川浩

「アスペルガー症候群」 岡田尊司

「闇の狩人(上)(下)」 池波正太郎

「男の系譜」 池波正太郎

「ギリシア・ローマ神話」 ブルフィンチ

「あほうがらす」 池波正太郎

「男振」 池波正太郎

「スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの」 藤真千歳

「ヘンたて 1・2」 青柳碧人

「華竜の宮(上)(下)」 上田早夕里

「ミレニアム・ドラゴンタトゥーの女(上)(下)」 スティーグ・ラーソン

「ミレニアム・火と戯れる女(上)(下)」 スティーグ・ラーソン

「リリエンタールの末裔」 上田早夕里

「ガールズバッドカンパニー」 紅羽一葉

「日曜日の万年筆」 池波正太郎

「静寂の叫び」 ジェフリー・ディーヴァー

「トウモロコシ畑の子供達」 スティーブン・キング

「神林長平トリビュート」

「南極点のピアピア動画」 野尻抱介

「約束の方舟(上)(下)」  瀬尾つかさ

「敵は海賊・海賊版」 神林長平

「ハーモニー」 伊藤計劃

「星の舞台から見てる」 木本雅彦

「夏への扉」 ロバート・A・ハインライン

「地球保護区」 小林めぐみ

「ラベルのない缶詰をめぐる冒険」 アレックス・シアラー

「ボーンコレクター(上)(下)」 ジェフリー・ディーヴァー

「英雄の書(上)(下)」 宮部みゆき

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 虚夢回路」 藤咲淳一

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 眠り男の棺」 藤咲淳一

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 凍える機械」 藤咲淳一

「ゼロ年代の想像力」 宇野常寛

「咎人の星」 ゆずはらとしゆき

「ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上4」

「ニンジャスレイヤー ザイバツ強襲!」


とまぁこんな感じで9割方おもしろかったです。
1割は全然肌に合いませんでしたが、まぁ本との出合いなんて
そういうもんでしょう。それを踏まえても上々な打率だった思います。

印象深かったのは「食卓の情景」「おおげさがきらい」の2冊で、
池波正太郎氏のエッセイなんですけど読む本がたまたまないときの
つなぎにバックに忍ばせておくといろいろ重宝しました。
地に足ついた文体は何度読んでも飽きることなくおもしろかったです。
「おおげさがきらい」ってタイトルつけといて、痴漢撃退用に
刃引きしてある日本刀を携えて待機しているとか、弟の喧嘩の助太刀に
いの一番に角材もって相手に殴りかかった話とかね。どの口でいえんだと。


皆さんは一体どんな本を読んだでしょうか?
また来年もいい小説に出会えますように。南無  


Posted by ダブルジェイ at 02:10Comments(2)

2013年12月25日

アイアンレンジ

ちょっと前ですけど柄にもなくレッドウィングのブーツを買ったわけですよ。
以来靴磨きやら手入れが楽しくてですね。でもなんで楽しいかよくわかんないんですよね(腕組み)

自衛隊とか入隊早々ブーツの手入れを教わるんでしょう確か。
つま先をイッショケンメピカピカにするとか。

それこそ単純な工程ですが小さな達成感なんてものがあるんでしょうね。
愛着が沸いたり、エイジングの経過を楽しんだり、足に馴染んできたのを確認したり、
仕事で嫌なことがあってもブーツにブラッシングしてるときは忘れますよ。
こういうのは主観で楽しむものであって、このときの自分を肯定するだとかしてほしいだとか
そういうのを含むと途端に破綻するわけで。そこらへんは地に足つけておいたほうがいい。

同じブーツでも毎年毎年流行を追いかける若い女性ってのはこういう感覚とは
ちょっと違うんでしょうかね。安易に一括りにするのは尚早ではありますが。
あんまり手入れをするイメージが浮かばないんだよな。

でまぁ、「大事そうにしてますね」いわれて「まぁそうですね」としかいえないんだけど、
「でもすぐ汚れるから毎日手入れしても意味ないでしょ」っていわれんの。

私ね、こういうこと言う人って本当につまんねー奴だなぁと思うわけです。
いやね、だからといって「なんかおもしろいこといえ」ってフリも苦手なんですよ。
なにがいいたいかっていうと

「おもしろく努める必要もないがつまんないことをいう必要もない」ってこと。

んで同じ流れで「休日とかなにしてるんですか?」って聞かれて
「たまに料理してます」っていうと「でも1時間かけて作って食べるのは5分とか10分でしょ」とか
いやほんとこいつは総じてつまんねぇ奴だなぁってね。時折ビックリしますよ。

ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ

何年か前に私の飼い猫が寿命で死んだわけなんですが、なんかの折にその話になって
「まぁ僕が死んだら先に待ってる飼い猫と遊びたいですな」って冗談半分でいったら
「死んだらそこでオシマイでしょ」って真顔でいうの。
なんか中学時代にそういう人がいたなぁってちょっと懐かしくなったけど
それはあくまで当時だから成立する話であって、逆にそういうスタンスで
壁にブチ当たったことはないのかね?と聞きたい。

その人もペットで猫を飼ってペットロスを経験してると聞いて、
私もガラにもなくそんなことをいってみたものの、なんか予想外の返しがきちゃってねぇ。
なんかこうちょっと信じたいところってあるじゃない。私も霊の類もあの世のことも
信じちゃいないんだけど、とはいいつつもちょっとそういうのをどこかで信じたいところもあるじゃない。
ごく近しい範囲でさ。それが思い入れってやつなんじゃないのと。

「うちの猫が死んで4年経つが東北の大地震みたいな怖い経験しなくてよかったねぇ」と
時たま家人が思い出すように呟く。これが人間らしさというやつではないのか。

コミュ障っていう置換しやすい言葉ができて、なんかあったらそれいえば王手みたいな
風潮があるけど、それに収まらないパターンってのは結構あると思うんだな。
脳のどっかの部位が欠損してるとか機能してないとかそういう。
ちょっとそこまで勘ぐっちゃうぐらいの違和感ってやつで。

勘がいい人はお気づきだと思うけど、この流れからしてもわかるとおり
お金入れてモグラ出てきたらぶっ叩くみたいな感じでね。
こうなんというんでしょうなぁ、人を踏み台にしてる感が半端ないんですよ。
で、飛ばねぇの。まぁいいんだけどさ。

逆にフォークトカンプフ法で額にナルト貼り付けて「なにフェチなんすか」って冗談できくと
「特にないです」って真顔でいうんだから、お前はアンドロイドだ。

「アンタの汚れはみたいが、手前の汚れは別に見せるまでもないですよ」

私はこの流れが地味に恐ろしいなぁとつくづく思う。
他愛もない会話なはずなのになにか妙なシコリが残る。

過程を楽しむのか、結果のみしか見ないのは人それぞれだから
まぁどっちでもいいんだけど、後者は前者に対して興味をもたないまま
話を持ちかけるという食い合わせの悪さは事実としてあるのかなって。

仲間意識で腹割って話して恥を共有するのもちょっとどうかなって思いつつも、
他人の田んぼに長靴で足つっこむのもフェアじゃねぇだろっていつも思うんです。
といった感じで靴に始まり靴に終わるということで(陰腹を既に済ませてある)  


Posted by ダブルジェイ at 04:00Comments(2)

2013年12月15日

ワナナイト

休日を家でのんびりと過ごしていると、家人から「例のモノ」と
クリアフォルダを渡されて「例のモノってなんですか」という疑問が
私の顔に出ていたのかすかさず「ミスターXの原文」と補足の声が入ったのである。

あーあー、そうだそうだ。手配をお願いしていたのであった。すっかり忘れていた。

以前ここで私の義父が老人ホームで五箇条のご誓文を書き記したとかなんだとかと
どっかの一遍で述べたんですが、その五箇条のご誓文の原文がこそが
この「ミスターXの原文」なのですよ。今みたら五箇条どころか九箇条まであった。

以前、家人から「いつも大事そうに原文を抱えている」という話を聞いて、
ぜひとも読ませていただきたい(だっておもしろいに決まってる)と懇願したのが
もう一月前になるわけでして、まぁ一応断りを入れて「息子(私)が是非読みたい」ということを
素直に家人が伝えると「ほお!なんと正義感に溢れた息子さんなのだろう!よいですとも!」と
手渡され今に至るという。物事があらぬ方向に進んでるだけれども、ここで重要なのが

「誰も不幸せになっていない」 このことである。

生きていく上でこの道理を躓かずに進むのは真に困難だったりするけども、
まぁこういうこともあるんだなぁってしみじみ思うわけです。

いきなり「ミスターX」っていうおもしろ単語が出てきて皆さん不思議な顔をされていると
思われますが、ようはこのミスターXってのが施設でセクハラ騒動を起こした痴呆老人なんですよ。
名前もツラも素性も全部わかっちゃってんだけど、やはり悪としての椅子を用意しなきゃいけないのか
よくわからんお膳立てからはじまるわけで、読み進めて行くと静かな狂気を帯びつつ、
ミスターXに対して自らの正義に駆られた痴呆義父の暴走というかなんだかこれもまたロックな
感じで物事が進んでいく。正直ミスターXなんて単語を目にしたのはプロゴルファー猿以来ですよ。
そして今日も地球は回っているわけ。

A4の紙が合計4枚。おおまかな内訳は以下のとおりである。

●施設への嘆願書
●ミスターXへの警告書

どのA4用紙も達筆な字で見事に埋め尽くされており、
九箇条のご誓文は嘆願書にこう記されていた。

1、本人を呼んで事実を確認し、二度としない誓約書を出させる
2、上記1を添付して、被害届を警察署に届け出る
3、家族、親族への告知と退園勧告
4、全社員と入園者全員に事実を周知徹底させる
5、入園者の有志、又は全員の追放書を本人と親族に渡す
6、本人住居地の町内会に警告文書の配布
7、痴漢専門の弁護士の力を借りて、有効な手段の採用

追加項目

8、県内の介護施設の責任者にミスターXの情報を周知し被害を予防する
9、屈強な男子社員の0さん、Sさんに期待したいです

以上が九箇条のご誓文である。
間違っていないようで間違っていて、間違っているようで間違っていない。

そして私の心が最も震えたのはミスターXへの警告書であった。

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ミスターXへの警告書

先日XX日は主任のNさんに信じ難い性犯罪をして了った事を忘れはしないであろう。
具体的にはNさんがお前の席を通り過ぎる瞬間に、動物が獲物を狙って飛び掛るように
彼女の左側から飛びつき、左手で乳房をしっかりつかみ、上衣の上から触れると同時に
右手でお尻を触っていた。正に一瞬の出来事であった。

 これ等の手口は常習者のやり方で、素人ではできない行為である。
Nさんは逃げる様に、足早にその場を逃れて仕事場に移動した。

 この様な事が起きることを心配して、特に若い女性社員を守る為に
日頃から入園者の動向を特殊モニターで全て把握している。

お前が以前、或る婦人と2Fでした性行為は(中略)が、然し今回はまったく違う。

お前の体臭、指紋、声紋を全て採取してあるので、これからは
お前は全て監視されているし、特殊モニターが全て把握している。
今後お前のような痴漢は、天罰で早死にする様に楽しみにしている。
そしてこのままでは確実に地獄行きであろう。

若しも助かりたかったら、家族にも真実を話し、東京の警視庁に出頭して、
今までの犯行の全てを自白して助けを求めれば良い。終了

正義の味方より

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正義の味方からの警告文が
よっぽど悪のミスターXからの脅迫文のようである。

正気と狂気は紙一重であり、果たして私は自らを「正義の味方」として
身を置く覚悟を決める日がくるのであろうか。

なんだか冒頭が官能小説みたいだなと思いつつ、
「正に一瞬の出来事であった。」って締めが「池波正太郎」っぽくて
意味もわからぬまますこし安堵してしまった私がいるのも事実であった。

こういう滋養漲る文章が書けるようになりたいものである。
正義の味方が手書きで「乳房」や「お尻」などと書き記すのだ。
むしろそこまで細かい描写を覚えるまで凝視するならば
その場で諌めたほうがいいと思うのだが、それをいったら
世の中の経済活動なんて途端に破綻するようなものでる。

魂が宿った狂文というべきか、やはり本物には叶わない。叶わないのである。
特殊モニターってどんだけ便利な言葉なんだろうなぁ。  


Posted by ダブルジェイ at 20:26Comments(4)

2013年12月14日

レーザーされる

読みかけのまま放置していた「アンドロイドは電気羊の夢をみるか?」をようやく読み終える。
いわずもがなブレードランナーの原作ですな。

限りなく人を模したアンドロイド(レプリカント)をアンドロイドとして判断することに難儀していた
主人公リック・デッカードなんですが、なんだかこの流れに琴線に触れるものがあったんですな。

巷はまともそうな人が頭おかしかったり、頭おかしい風を装ってまともだったりとかこんなんですよ。
特にサバゲーだと良くも悪くもこういう機会に触れることがしばしばある。

フォークトカンプフ法でテストするまでもないのは「自称・変態」の手合いでなんだけども、
手前の竹光を「変態」という鞘に収めたくてしょうがないのかなと思いつつ、結論として

「抜き身のままでもなにも斬れやしないのだから別に無理に鞘に収めんでもいいじゃないか」

このことである。まぁアンドロイドか人間かはここでわかる。
「都合のいいところで変態におかれたい」このことがね、非常に引っかかる。
これは逆にいえば都合の悪いところは触れないでほしいってことなんですよ。
実はこの「都合の悪いところ」にかぎっておもしろ過ぎるんだけど、
哀しいかな当人とは共有できない箇所なのである。ここが天下分け目の大戦なのである。

自分で自分のことを持ち上げなければいけない状況に陥ってることに気付かぬ姿に
泡沫の如き儚さを感じてやまない。だってそう思っちゃうんだもん、しょうがねぇじゃん。

真なる変態というものは邪な気持ちがない。だって他人の目なんか関係ねぇんだもん。
以前に小雨坊についてここで書き記したことがあったけども、あの後再度
小雨坊とでくわしたことがあって、電話ボックスの中でやたら騒ぎたてながら

「svi1亜sぷあらっぶjか^あrc:そでもあ! ヴェッ! あ、いけるいけるいけるいける!!」

などと非常に文章にするのが困難な奇声をあげていた。
個室の空間で「いけるいけるいける!」などと叫んでいたんだが、
いったい「どこ」に「いける」というのか甚だ疑問に残る。つまりは生き方がロックなのだ。
下心も邪心も含まない完全なピュアな結晶がそこにある。

ここでまぁ一つの区切りがつくわけなんだけども、前述にもあるとおり
恐ろしいのはここから先の話である。

「自称・変態」が必ずしも「さして変態でもなんでもない」と言い切れるかというとそうでもない。
この段階で私はデッカードの立場に身を置くことになる。

「変態かどうかは目を見ればわかる」と1番の変態が目を爛々とさせつつ、
私に説き伏せたことがあったのである。あぁなるほどなぁと思いつつ、
この手合いこそが最も恐ろしいと思った次第であった。
いわゆるハイブリットというのか、冷静と情熱の間にというか。

まぁフォークトカンプフ法でテストするまでもない話においての極例というべきか、
自らを変態と認識しつつ世間に紛れ込む姿はまさにネクサス6そのものである。
というか今までの流れだとフォークトカンプフ法を試すに至らない状況しかないが。

ネクサス6は紛れ込みつつも要所要所で確実に滲みでるというかオメガがブーストされるわけだから
これまたフォークトカンプフ法の出番がない。いつテストするんだよこの方法。
まぁ火のないところに煙はたたぬし、なによりその火を消そうとやっきになる浅野内匠頭が
癇癪もちのお稚児好きという話である(関連性を一切考えてない開き直り)

完全なクリスタル体の結晶のままの変態と、人の形を成したクリスタルボーイがいる。
まぁ私が今クリスタルボーイっていいたいだけの話ですけども。

ただ一ついえるのは真なる変態は人に迷惑をかけない。
否、かけたとしてもそれは災い転じて福となす。このことである。

では最後に小雨坊のロックな発言をもう一度どうぞ

「svi1亜sぷあらっぶjか^あrc:そでもあ! ヴェッ! あ、いけるいけるいけるいける!!」  


Posted by ダブルジェイ at 20:02Comments(2)

2013年12月07日

ウィケ波J太郎 食卓の情景2

薄紙を剥ぐように秋の穏やかさが失われていく。冬である。
ひとり街を歩き、公園で子供達が唐揚げでキャッチボールをしているのをみ、
「このような光景が未だに見れるとは…」と驚嘆せざるを得ない。

まさに「心強い!」の一言に尽きるのである。

そのことについては、これから折にふれて書くことになるだろう。

そもそもピッチャーフライやらキャッチャーフライといった語源が
「唐揚げを掴む」ことからきているのだが、果たしてどれだけの人間が
そのことを知っているのだろうか。おそらくぼくだけだろうね。今思いついたのだから…

亡き師、長谷川伸氏が

「J太郎くん、今日はバッティングセンターで時速140キロの唐揚げを打ったよ」と
よく私に話したものである。思えば師も、唐揚げが大の好物であった。
師と2人で深川のバッティングセンターに通いつめ、監視員の目を盗んでは
総菜屋で買い占めた唐揚げをピッチングマシンに押し込んだものだった。

「腰が入っていないんだよJ太郎くんは。鳥のモモを迎え撃つんだから腰を入れなきゃ」

生前の師の暖かき言葉を受けた当時のことを思い出す度に、
思わず目から熱いものが吹き零れそうになる。まぁ長谷川伸氏とは一切面識がないのだが。

木製のバットで迎え打つその姿はまさに「打っても悲惨、外しても悲惨」といったところだろう。
唐揚げに含まれる油が木製バットに染込むのはあまりにも酷だということで
高校野球までは金属バットを使用することになったわけだが、これも自然の流れだろうね。

それはさておき…

私の父の趣味が「料理」であったことは「杖と長脇差」の一遍で既に述べたような気がしたが、
実際そのような小説を書いた記憶がないのでこれは明らかにデマだろうね。

嘘の中に真を見つけるのが政(まつりごと)である。
前述の小説そのものはデマではあるが、実際、父の趣味は料理そのものであった。
大分年季の入った料理本を片手に台所に向かう父の後姿は普段のそれとはまるで違う。
まるでいいところなしの人間であったが、唯一料理の腕に関してのみ非凡であったと思う。

先にも述べたように趣味とはいえ腕のほうはなかなかのもので、
腕によりをかけたおおぶりの干瓢巻きのロールキャベツが食卓に並ぶと私は喜んだものだった。
一口大に箸で切り分け、口にゆっくりと運ぶ。なかなかにうまい。
当時5歳であったが、幼少期の感動の記憶は25年以上経った今もなお薄れることはない。

その中でも父が作った「唐揚げ」なぞは辺りの総菜屋のものよりもうまかった。
生姜を摩り下ろしているときの父の顔は真剣そのもので、このような表情は
まさに唐揚げを作っているときにしか見られないものであった。
この時のことは「鶏冠色狂い」という短編に書いた。


夜兎の捨蔵が2年前に行き倒れていたあの山道で、
四対一の決闘が泥しぶきをあげてはじまっていた。

松前藩の四名の討手が、ついに平田新之助を見つけ出したのである。
新之助は両刀を腰に差していたが、身なりはニワトリの着ぐるみ姿であった。
しかし、強い。

武士として、人としての将来を絶たれたニワトリの捨身わざに、
既に二人の討手の顔が切り割られ戦闘不能となった。

「ええい!畜生め!」

わめき声をあげながら出鱈目に刀を振る鈴木要蔵の腹部を
新之助はすくい上げるように切り払った。

「畜生とは笑わせる!俺はニワトリだ!怖いものなぞあるものか!」

血みどろになって転げまわる鈴木を見、新之助はまるで獣のように声をあげ、
残る一人の金田善郎に敢然と飛び掛かりめったやたらに斬った。

金田が動かなくなると、新之助は4名の死体を山道から外れた林の中に埋めてしまった。
ニワトリの着ぐるみは四名の返り血を浴び、もはや白を残してはいない。

「こうなってしまっては、あとは卵を産むのみ」

新之助はそう呟き、煙のような雨の中で双眸を閉じ、その場に立ち尽くしていた。
辺りの決闘の血が雨で洗い流されてしまったとき、新之助の姿はもうどこにも見えなかった。


弱虫のたとえでチキンとよくいうが、それは間違った認識だと僕は思う。
当時の武士は脱藩するとニワトリの格好をするのが常識だった。
討手にしてみればこれほどわかりやすい得物はない。
「いつ首をとられてもよい」という死に装束のようなものだから、
逆を言えば着ている方としては常に死を意識していたわけだ。

今の時代の男には少しもそういうものが見受けられない。烏合の衆どころか
一介のニワトリにもなれないんだ。これはあまりに哀しすぎるね。  


Posted by ダブルジェイ at 23:33Comments(2)