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Posted by ミリタリーブログ at

2011年11月06日

T・ジャララトフ

無精ひげが目立つ色白男は、ガンケースを片手に虚ろな目でホテルのロビーに現れた。
歳のころは20代後半、猫背による背中の丸さからは幸福感など微塵も感じられない。
かけている眼鏡の奥に映る目はまるで9R戦ったボクサーのように腫れぼったく、
瞳の輝きなど当の昔に失ったかのようにも見えた。

男が重々しいガンケースをテーブルに置いたその隙を狙い、
出迎えのチェチェン人が慌しくかけより、挨拶がてらに質問を交わす。

「フライトはいかがでしたか?Mr,ジャララトフ」

「飛行機だけは勘弁な」

ジャララトフと呼ばれた男は、チェチェン人から手渡された「おーいお茶」を
苦々しい顔で一気に飲み干す。その目には若干の潤みを宿していた。

「ぶっちゃけ日本茶は苦手だと伝えたはずだが」

「あいにくですがMr,ジャララトフ、このホテルの自販機は伊藤園系列しかなく」

「ふむ。嘘泣きだから安心したまえ」

このやりとりに意味を求めることこそが無意味である。それは誰にとっても明白だった。
チェチェン人は自分がなにを試されたのかわからなかったが、
自分の国にもそういう頭のおかしい輩がいたのを思い出し、自らを納得させた。
そうでもしないかぎり永久にこの男との会話は成立しないのだ。

「お呼びしたのは他でもありません。あなたに狙撃をお願いしたいのです」

ジャララトフと呼ばれた男は静かに、時計のような一定のリズムで呼吸をするだけである。
チェチェン人はくたびれた茶封筒からおもむろに写真を一枚取り出した。



ジャララトフと呼ばれた男は表情を変えぬまま、
人物像の輪郭線を追うように視線だけを動かしていた。
まるで未来永劫続くような長い沈黙が続き、チェチェン人は終始当惑したが
その沈黙を破ったのもまた沈黙を生み出した本人であった。

「ふむ、絹目の写真だね」

男が的外れな返しをしたので、居心地の悪い空気が一瞬にして辺りを包む。

「ふむ、こんなわかりやすいFBIはまずいないだろう」

「盗撮どころかスナップショットです。この男の名前はニック・ダメンフィス。先日猥…」

「狙撃に理由は必要ない。必要なのはターゲットと銃と弾丸だけだ」

「おっしゃるとおりです。失礼致しました、Mr,ジャララトフ」

「銃は私が用意したものを使わせてもらう。それが条件だ」


男がガンケースから取り出した銃は、長く重く優美な代物であり
近代的とは決して言い難い不思議なフォルムをしていた。

「それがドラグノフですね、Mr,ジャララトフ」

「そう尋ねられたのであれば私はこう返させていただく。YES!高須クリニック。
  あのリアルソード製のものだよ。木ストにクラックが入ったときは泣きそうになったがね」

「是非とも大陸クオリティを目の当たりにさせて頂きたいものです」

「ふむ、いいだろう。ただホップ調整ダイヤル回すのがしんどいので
       レシーバーカバーは開けたまま試射させていただこうか」

男がギチギチとホップ調整ダイヤルを回す。これでもかと。
適正ホップの位置は回数で覚えていた。左周りに5周、これがベストな位置になる。
久しぶりの試射に気持ちが高ぶる。男が浮かべた笑みにチェチェン人はようやく血の通い感じた。


ウィ! ピーン!!


「ピーン!?!?!???!ピーンてなに!?」

発射音の後に聴き慣れない金属音がしたと同時にエジェクションポートの位置から
なぞの物体が勢いよく射出された。おかしい、これはTOPのM4ではないのだ。



勢いよく射出されたのは



メカボのガワの一部でした!!!

これはガワを買って交換せねば。クラックってレベルじゃねーぞ!!
バネも柔らかいのにとっかえよう。もう一度仕様を見つめなおそう。

おしまい  


Posted by ダブルジェイ at 02:57Comments(10)